リスクは「避ける」ものではなく、「先に決めておく」もの。
〈空室〉〈修繕〉〈金利上昇〉の3リスクを
“数字で予算化”すれば、不安は一瞬で消えます。
これは、誰にでもできる「安心の型」です。
月100万円の家賃収入なら、この配分で安定する
17の記事で話した「返済3:備え再投資5:自由2」をベースに、
“備えを含めた全体設計”を数式化してみましょう。
家賃収入 = 返済 + 備え(空室+修繕・金利用)+ 再投資 + 自由
| 項目 | 比率 | 金額(家賃100万円) | メモ |
|---|---|---|---|
| 返済 | 30% | 30万円 | 銀行返済計画 |
| 空室 | 8% | 8万円 | 年間計画値でOK |
| 修繕・金利上昇対策 | 12% | 12万円 | リスク備え枠 |
| 再投資 | 29% | 29万円 | 次の物件 バリューアップ工事 |
| 自由枠 | 20% | 20万円 | 生活・家族・ゆとり支出 |
| 合計 | 100% | 100万円 | 備え+再投資=50%(守りの構造) |
空室は“家賃の8%引き”で設計するだけ
運用収入 = 家賃収入 × 92%
家賃100万円なら運用は92万円。
残り8万円が“空室保険”になります。
慣れないうちは〈空室率〉を8〜10%の年間計画値でOK。
〈レントロール〉に実績を残し、翌年の数値を微調整しましょう。
金利が1%上がると月いくら変わる?
たとえば〈元利均等返済〉で
3,000万円を20年返済した場合、
金利が1%から2%に上がると——
月の返済額は約13.8万円 → 約15.2万円。
差は1.4万円/月(年間16.8万円)です。
たった1%でも、1年で家計にこれだけの差が出ます。
だから「毎月1万円を“金利上昇分”として先に引いておく」だけで、
将来の変動にも静かに対応できるのです。
備えは“月20%”+“1年分”をひとつの目安に
修繕積立と金利合わせて12%をリスク対策とします。
空室分を含めた“月備え20%”が目安です。
| リスク項目 | 式 | 金額(家賃100万円) | 状況 |
|---|---|---|---|
| 空室(8%) | 100万×0.08 | 8万円 | 年間計画値でOK |
| 修繕・金利(12%) | 100万×0.12 | 12万円 | 修繕積立 金利上昇対策 |
| 合計(備え20%) | 100万×0.20 | 20万円/月 | 年間240万円が 上限目安 |
→ この「年間240万円」を“備え上限”としておけば、1年単位の資金計画が見通せます。
もし実際の出費が200万円なら翌年に200万円を補填し、
余った40万円は再投資や自由枠に振り分ければOK。

まとめ:守りとは“準備を楽しめる”こと
リスクは“怖いもの”ではなく、“準備すれば味方になるもの”。
不動産投資の安心は、気合や経験ではなく数字の設計でつくれます。
月備え20%・1年分——この“事業用備えの上限”を決めるだけで、
未来の出費は「突然」ではなくなります。
計算や貯蓄が苦手やりたくない。でも、頭の片隅に必ず「備え」は意識して下さい。
意識があるだけで、素人も玄人も関係なく成功と失敗を分ける最大の原因になります。
守りとは我慢ではなく、続けるための余裕。
その余裕を“計画”で保てるのが、不動産投資の強さです。
今日ためしてみること(3分でできる)
- 今の家賃収入に×0.20をかけて「備え額」を出す
- その数字を「今年の上限」として管理
例:家賃100万円 → 備え20万円/月、年間240万円 - 実際の支出との差額を“貯まり具合”として記録する
「いくら備えているか」を知ることが、最大の安心です。
FAQ
Q1. 備えはどこで管理すればいい?
A. どこでも構いません。重要なのは「金額を決めて記録する」こと。
例:「今月の備え=20万円、累計=100万円、支出=10万円、残=90万円」。
数字を“見える化”するだけで判断が早くなります。
Q2. 余った備えはどうする?
A. 〈バリューアップ工事〉や〈再投資分〉に回すのが堅実です。
Q3. 備えが足りなくなったら?
A. 「再投資分」から一時的に補填してOK。
大切なのは運用を止めないこと。止めずに回す、それが“続く安心”です。
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