Excelで前週や前月の数字を比較するとき、「前月比」をどの式で計算すればよいか迷うことがあります。
特に混同しやすいのが、次の3つです。
- 実際にいくつ増減したかを示す「差額」
- 前回を100%とした現在の水準を示す「前週比・前月比」
- 前回から何%変化したかを示す「増減率」
たとえば、前回が100、今回が120なら、結果は次のようになります。
- 差額:20
- 前月比:120%
- 増減率:20%増
前月比120%を「120%増」と読むと、意味が変わってしまいます。
私自身も、販売数や客数、P/I値(販売数/客数)などをExcelで比較するとき、差額だけでは変化の大きさが分からず、増減率だけでは実際に何個増えたのか分からないと感じることがありました。
そのため、何を確認したいかによって計算方法を分ける必要があります。
この記事では、Excelで差額・前週比・前月比・増減率を計算する方法と、結果の読み方を整理します。
比較に使う合計値が手計算や想定と合わない場合は、先に
「Excelの合計が合わない原因|SUMの範囲・文字列・小数点・非表示行を確認」
で、SUM関数の範囲や文字列を確認してください。
前週比・前月比を計算する前に3つの違いを確認する
Excelで2つの数字を比較するときは、最初に何を知りたいのかを決めます。
前回の数字をB2、今回の数字をC2へ入力した場合、3つの計算方法は次のように分かれます。
| 知りたいこと | Excelの数式 | 前回100・今回120の結果 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 実際にいくつ増減したか | =C2-B2 | 20 | 20増えた |
| 今回は前回の何%か | =C2/B2 | 120% | 前回の120% |
| 前回から何%変化したか | =(C2-B2)/B2 | 20% | 前回より20%増 |
この記事では、次のように言葉を分けます。
- 前週比・前月比:前回を100%とした今回の水準
- 増減率:前回から何%増減したか
- 差額:実際にいくつ増減したか
「前月比」が前月からの増減率という意味で使われる場合もありますが、混乱を避けるため、数式と結果の読み方まで確認してください。
差額を計算して実際にいくつ増減したか確認する
差額は、今回の数字から前回の数字を引いて計算します。
前回をB2、今回をC2とした場合の数式は次のとおりです。
=C2-B2
結果は次のように読みます。
- プラス:増加
- マイナス:減少
- 0:変化なし
差額は、販売数が何個増えたか、売上が何円増えたかなど、実際の変化量を確認するときに向いています。
ただし、差額だけでは元の数字に対して変化が大きいのか小さいのか分かりません。
同じ20の増加でも、元の数字が100の場合と1,000の場合では、変化の大きさが異なります。
変化の割合も確認したい場合は、増減率を併記します。
前週比・前月比を計算して前回の何%か確認する
前週比・前月比は、今回の数字を前回の数字で割って計算します。
前回をB2、今回をC2とした場合の数式は次のとおりです。
=C2/B2
計算結果が1.2なら、パーセント表示にすると120%です。
前週比・前月比は、100%を基準に読みます。
- 100%:前回と同じ
- 100%より大きい:前回より増加
- 100%より小さい:前回より減少
前月比120%は「前月の120%になった」という意味です。
前月より20%増えていますが、「120%増」ではありません。
計算結果をパーセント表示にする
数式を入力したセルが1.2や0.8と表示された場合は、セルの表示形式をパーセントへ変更します。
- 数式を入力したセルを選択する
- 「ホーム」タブを開く
- 数値グループの「%」を選択する
Microsoft公式でも、0.1をパーセント表示にすると10%になると説明されています。
参考:Excelで数値をパーセント表示する|Microsoftサポート
すでにセルへ「120」と入力してからパーセント表示にすると、12000%と表示されます。
先に割り算で比率を求め、その結果へパーセント表示を設定してください。
増減率を計算して前回から何%変化したか確認する
増減率は、今回と前回の差を前回の数字で割って計算します。
前回をB2、今回をC2とした場合の数式は次のとおりです。
=(C2-B2)/B2
次の式でも同じ結果になります。
=C2/B2-1
計算結果が0.2なら、パーセント表示にすると20%です。
結果が-0.2なら、-20%と表示されます。
増減率は0%を基準に読みます。
- 0%:変化なし
- プラス:増加
- マイナス:減少
Microsoft公式でも、2つの数字の変化率は、変化後と変化前の差を変化前の数字で割って求める方法が示されています。
参考:Excelで割合と変化率を計算する|Microsoftサポート
前月比120%と20%増の違い
前月比と増減率は、同じ変化を異なる基準で表しています。
| 表し方 | 結果 | 基準 |
|---|---|---|
| 前月比 | 120% | 前回を100%とする |
| 増減率 | 20% | 変化なしを0%とする |
前月比120%と20%増は、同じ状態を表します。
ただし、前月比120%を「120%増」と書くと、今回の数字が前回の220%になった意味になるため注意が必要です。
差額・前月比・増減率を目的に応じて使い分ける
3つの計算方法は、どれか1つが正しいのではなく、確認したい内容によって使い分けます。
| 確認したいこと | 適した数字 |
|---|---|
| 実際に何個・何円変わったか | 差額 |
| 前回を100%とした現在の水準 | 前週比・前月比 |
| 元の規模に対して何%変化したか | 増減率 |
| 実数と変化の大きさを両方伝えたい | 差額と増減率 |
販売数などを報告する場合は、次のように差額と増減率を並べると、実数と変化の大きさを同時に伝えられます。
販売数は前回より20個増加し、増減率は20%だった。
差額だけでは変化の割合が分からず、増減率だけでは実際の増加数が分かりません。
前週比や前月比は、複数の商品や期間を100%基準で並べたい場合に使いやすい表示です。
前回の値が0や空白なら前月比は計算できない
前回の値が0の場合、前月比や増減率は通常の式では計算できません。
前回をB2、今回をC2として次の式を入力すると、B2が0または空白の場合に#DIV/0!が表示されます。
=C2/B2
0で割ることはできないためです。
Microsoft公式でも、除数が0または空白の場合に#DIV/0!が発生すると説明されています。
参考:エラー値 #DIV/0!を修正する方法|Microsoftサポート
前回が0または空白なら「比較不可」と表示する場合は、次の式を使えます。
前週比・前月比の場合:
=IF(OR(B2="",B2=0),"比較不可",C2/B2)
増減率の場合:
=IF(OR(B2="",B2=0),"比較不可",(C2-B2)/B2)
前回が0のときに0%と表示すると、「変化がなかった」のか「比較できない」のか分からなくなります。
そのため、0%ではなく「比較不可」や空白など、比較できないことが分かる表示にします。
前回がマイナスの場合も割合だけで判断しない
利益が赤字から黒字へ変わった場合など、前回の値自体がマイナスなら、通常の増減率は直感的に分かりにくくなります。
この場合は、割合だけで説明せず、次の情報を併記します。
- 差額
- 赤字から黒字へ変わったこと
- 実際の金額
まとめ|知りたい内容に合わせて計算式を選ぶ
Excelで前週・前月の数字を比較するときは、先に何を知りたいのかを決めます。
- 実際にいくつ増減したか:
=今回-前回- 今回が前回の何%か:
=今回/前回- 前回から何%変化したか:
=(今回-前回)/前回
前月比は100%を基準にし、増減率は0%を基準に読みます。
実際の報告では、差額と増減率を並べると、実数と変化の大きさを両方伝えられます。
前回の値が0や空白の場合は、0%とせず「比較不可」と分けてください。
次に読む記事
前週比を計算するには、比較する前週と今週の数字を同じ期間で集計する必要があります。
日別データを月曜日から日曜日などの週単位へまとめたい場合は、次の記事でSUMIFSとピボットテーブルを使った集計方法を確認してください。


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